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2016年12月19日 (月)

「思考の開放」と「開放の壁」

時代の大転換期を踏まえ、これまでの既知や経験則の枠組みではもはや勝てない・答えを出せない。

自在な思考を手に入れ、集団の適応可能性を飛躍させるべき時代に入った。業態革命や企業連携、コラボレーションやグループ追求など、既存の思考フレームを超えるべく多くの中小企業、大企業、学校、教育、家庭、子育て、男女関係といったあらゆる領域の中で社会的規模(行動は部分的・局所的ではあるが)での模索や追及が始まっている。

一方、思考の開放を意識するが故に多くの思考が陥りやすい罠がある。

それは、当人たちの意識とは裏腹に、成功事例の表面的模倣や、技術的スキル、表現スキルの模倣に終始してしまうという思考現象だ。もちろん既知の領域を超えた行動・作業や思考を少なからずとる為、既知領域に対してある程度の新鮮さや変革的現象を齎す。これまで使ったことの無い言葉や表現や行動様式は、既存の枠組みからすれば、それらの現象はあたかも思考を開放しているように見える。

しかし、ここに致命的とも言える構造的な落とし穴がある。ある意味、見た目、言葉を変え、思考手順や作業手順を変え、アウトプットする表現を変えるだけならば簡単にできる。問題は、構造的に思考が開放されているか否かという点だ。思考の開放がなされ、現実に可能性を切り開いているケースにおいて、最も重要な事。それは、外圧や危機的状況を肉体レベルで対象化するがゆえの固定観念=「既知の立脚点そのものの解体」であり、その可否である。

例えば、建築設計の領域で建築プロセスにおいて思考の開放を試みようとする。目的地は開放された自在な思考に基づく、社会と使用者において永く評価される新たな空間価値の創造・提供であるとしよう。近年の先端技術や先端事例・他業界事例・評価事例の収集から、それらを生み出す組織の構造や思考様式・伝達様式を取り入れるべく注力する。そして、一定の構造化を経て、実際の業務フローに組み込む事を試みる。

一見間違い無いように思える。しかし、残念ながらこの一連の思考・作業フレーム・プロセス全体の「立脚点」が既にズレているのだ。

何故か?それは仕事以前の思考領域に存在する。ここに日常・仕事・追及・仲間を含めたすべての根幹=原因構造がある。もし仕事が出来て、休日には自分の趣味を大いに楽しむ。仕事の成果や仲間との充足関係を維持しつつ、個人の自由な時間や休みの確保も絶対。もちろん個人の価値観による自由恋愛(自我の性)はあたりまえのように否定しない。そして、一対婚に基づく核家族信仰(家庭第一・子育第一)も当然で、夫婦仲良く。仕事と家庭の分断もある程度は仕方が無いと割り切る。

まぁ。構造的にはいろいろ問題はあるかもしれないが、うまくバランスをとる。といったような価値観を当たり前のように温存させている。その上で、求める新たな価値の創造や社会的評価、建築家幻想や集団内評価の獲得を目指しているとする。ならばそれは。明らかに根幹にある価値観や普遍的行動様式は既知収束そのままの、近代観念や既知観念を絶対肯定する立脚点の姿である。

したがって、もしこの私的絶対領域=既知を疑いもせず、変えようともせず。全肯定した上で「思考の開放」という領域に臨むのだとすれば、それは結果=社会的充足可能性を生み出すこと自体が幻想であり(目先の断片的可能性以外)実現不可能であるということに他ならない。当然、本来的にも集団思考の構造上も存在しえない。唯一存在しえるように錯覚する可能性があるのは、近代観念(自我のパラダイム)の全肯定を暗黙に仲間で共認した上で形成される集団内(私的)共認の地平だけである。

これは他業種であっても他領域でも、気をつけなければならない重要なポイントとなる。

したがって思考を開放する為には、生活存在を含めシームレスに既存の枠組みを超え出ることが出来ているか。しようとしているか。(本来、外圧認識・危機意識が高ければ自ずとそうなる)既知の価値観の恩恵そのまま(部分温存・肯定したままに)に新しい成果だけを求めていないか?いずれにせよ、思考の開放と未知なる成果の達成にはシームレスに既知を捨て切る覚悟と実態が、個人レベル・集団レベルに求められるものである。だからこそ、個人の存在限界を超えた時間軸の地平でこそ集団で取り組むべき課題となり、真の充足可能性はその先にこそ待っている。

Bannister
 

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