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2016年12月27日 (火)

子供の思考停止と旧観念の構造を考える~ピンクのゾウ~

日本の明治~戦後にかけての日本の学校教育。その深刻な弊害が明らかになってきています。与えられた答えを前提とする、暗記脳・勉強脳・理解脳の形成。それらが、子供たちから追求力や表現力を削ぎ、一方的かつ画一的な詰め込み教育と、大学ヒエラルキーによる相対序列評価が、子供集団本来の思考力や追求力や表現力を破壊し、活力衰弱を加速しています。

◆絵を描くのが大好きな女の子
たとえば昔。小学1年生の頃。クラスに絵を描くのが好きで、とても上手な女の子がいました。僕も絵を描くのが好きで休み時間によく一緒にお絵かきしていたのを覚えています。(もちろん僕よりも彼女の方がはるかに上手でしたが。)

ある日。図工の時間に彼女はゾウを描きます。それはサバンナの草原を歩くゾウの家族。僕の目から見てもそれはそれは、とても良く描けた絵でした。ただ。その一枚の絵が、その後の彼女の人生を大きく変えることになってしまいました。(僕はその直後、親の都合で急遽遠方へと転校。彼女とは疎遠になりますが、その後も絵を描き続けやがては美大に入ることになります。)

◆彼女がやめた理由
15年後。美大生時代にたまたま再会した彼女。「いいなぁ。まだ描いてるんだ!」そこで驚いたのが、実は彼女。あのゾウの絵を描いた日から、なんと(あれだけ好きだった絵を)描くことをやめてしまったのだそう。彼女があの時描いたゾウの絵はとても素晴らしいものでした。ただ一つ。そのゾウの家族が、とても綺麗なピンク色で塗られていたことを除いて。

7歳の女の子の心が折れた理由。それはこんな感じでした。まず、これまで何を描いても大絶賛だった先生に「そんな色のゾウは居ない!」とすごい剣幕で否定され、家に帰って両親にも「○○ちゃん、動物園で見た事あるでしょ。ゾウの色はそんな色じゃないのよ」と。そして、クラスの男の子達にも「なんでゾウがピンクやねん!」と大層笑われ、幼心にとても深く傷ついたのだそうです。そして、彼女は次の日から描く事をやめました。

◆恐るべし勉強脳集団
とても残念なことですが「ゾウは灰色の生き物」という先生・家族・クラスのなかまの固定観念(思考停止の思い込み)が、幼い彼女の発想力・創造力・表現力・追求力を潰してしまったんだなと。おそらくこの事例は、たまたま彼女が不運だったのではなく、頻繁に子供たちの現実生活の中で起こっている現象なのだと思います。

子供たちの思考活力衰弱の問題。構造上は確かに潜在思念旧観念(近代観念)が封鎖しているのですが、特に子供の現実世界においては、このように個、個人の思考力問題というよりも、その「個」を取り巻く「集団共認としての思考停止」の位相にこそ、思考力の封鎖。その根本的原因構造があると思います。(民主主義の弊害の最たるもの)

学校で近代観念に基づく思考停止の訓練を受けたプロ先生が教え、学校で追求停止(=近代観念に基づく常識思考)の訓練を受けて大人になった両親のもとで育ち、学校ではそのような家庭で育った子供なかまの中で適応する。この近代観念の共認域と時間軸上の連鎖循環の悪環境が、子供たちの持っている本源的な思考力をかなり早い段階で封鎖しているという構造です。

◆ピンクのゾウは存在しえる
その後、僕が大人になって、それなりにいろいろと学んで言えることは、やはりピンク色のゾウは存在するという事。

それはトンデモなお話でもなんでもなく、構造的かつ事実認識上も普通にありえるというお話です。物理学的な話になりますが、そもそも物質そのものに「色彩」という属性はありません。全ての色彩を含む光=太陽の波長が物質に当たって、物質に吸収されずに反射した光の波長のみが、「色として見えている」に過ぎません。光の波長が変化すれば、当然反射も変化し、物質の色も変化して見えるのです。

みなさんもご存知のように、空のイメージは「青色」ですが、緯度や経度、時間や季節、気候によって地表に届く太陽の光の波長が変化するために、紫にもピンクにも赤色にも、そしてグレーにだって変化します。オーロラを空と見なせば、おとぎ話ではなく七色の空や虹色の空だって十分にありえるのです。つまりは極端な話。世界中の物質や生き物は「どんな色にだってなる」ということです。

朝焼けのサバンナの草原を歩くゾウの家族。それはほのかにピンク色であり、決してくすんだ灰色ではないはずです。アルビノのゾウの家族だったら尚更でしょう。(もっとも紫外線が強いアフリカでは、メラニン色素の無いアルビノのゾウ集団の適応イメージには無理がありますが..単体なら在り得なくもないでしょう)少なくとも、僕たちもメディアなどでよく目にするアフリカのゾウ。夕景写真にはハッキリと、夕焼けのオレンジ色に染まったゾウの姿が映っています。

◆もし、かなうなら...あの時の彼女に声をかけてあげたい。

「いい色だね。幸せないっぱいなあなたとゾウの家族の気持が、とても良く描けてる。」

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