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2016年11月 7日 (月)

日本の労働に対する「ぬるさ」を直視する、ある映画監督が語る仕事観②

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●「いま、日本では内戦が起きてる」紀里谷氏の考えるネット社会の弊害

 紀里谷氏の“ネット論”は、さらに以下のように続く。

紀里谷:断言してもいいけど、いま日本国内では内戦が起きていると言えますよ。

どういうことかというと、“がんばって行動する人たち”と“しないヤツら”の内戦。“何かに情熱を傾ける人たち”と“それをバカにするヤツら”の内戦。インターネットが普及して以降、ここ10年くらいに起こった日本の衰退は、“ヤツら”のほうに耳を傾けすぎてしまったことによる衰退だと思いますね。

これをしたら、なんか嫌なこと言われるかもしれない、デメリットがあるかもしれない、炎上しちゃうかもしれない…。そうやって耳を傾けすぎて、姿の見えない第三者の言いなりになってる。でも、そいつらは誰なの?なんなの?

実際にそいつらの住所をつきとめて会いに行ったとしたら、きっと笑い転げると思いますよ。こんなくだらないヤツらだったのかって。こんなヤツらの言うことを気にして真に受けてたのかって。

いい加減、目を覚まそうよ。そういうヤツらは、一体何人いるの?人数としては、すごく少数だと思うよ。そんな少数のヤツらのせいでどれだけの人たちが苦しんで、どれだけの人たちの夢がつまれて、どれだけの人たちが傷ついてるんだよ、って話です。

――紀里谷さんがTwitter等で悪口を言ってくる人に対してリプライを返すことがあるのは、そのような考えからですか?

紀里谷:うん。それが風潮になればいいよね。

悪く言うのはいいよ。何を言ったっていい。でも、その言ったことについてはしっかりツッコまれるっていう風潮ができればいいじゃないですか。それが匿名だとしても、言ったことに対しては責任をとらされる。

よく、『あんな悪口、放っておいたほうがいいですよ』って言われるんだけど、放っておくからこういう社会状況になるわけですよ。

いまや、少数である“ヤツら”の攻撃が10年かけてネット上を飛び出し、社会全体にボディブローのように効いちゃってる。テレビでもクレームや炎上を気にしてやりたいことや面白いことができないし、会社の会議の席でも思ったことが言えなくなってる。

そんななかで、どうやってイノベーションを生み出すの?そんななかで、どうやってみんなが笑える社会をつくるの?そういう風潮が、どれだけの弊害を作り出したか…。経済効果でいえば、何千億円何兆円レベルの悪影響だと思いますよ。

――“物言わぬ支持者”は、もっとたくさんいるということですか?

紀里谷:そうだし、その“物言わぬ支持者”が黙りこくってるからこうなっちゃうわけじゃないですか。駅で殴られてる人がいて、それを知らんぷりしてるようなものですよ。。でも、本当に放っておいていいの?

●たったひとつの理想を実現するため、やれることは全部やる

“内から湧き上がるもの”は一体何なのか?最後に聞いてみた。

――日本各地で何万枚とビラ配りをしていて、新たな発見や気づきはありましたか?

紀里谷:無心になって一生懸命何事もやる。その先に喜びがある。やっぱり、労働するっていうことはいいものだな、っていうことですかね。

確かに、ビラ配りっていうのは一種の行みたいなものですよ。修行の行。でも、『ビラ配りつまんねぇなぁ。やりたくねぇなぁ。けど映画ヒットさせるためにやっとくかなぁ』って思ってやるのと、『昨日は900枚配ったけど、今日はどうやって1000枚にしようか』って真剣に考えながらやるのとでは、わけがちがいますよ。捉え方なんじゃないかな、何事も結局。

――ビラを配るうえで、どのようなことを真剣に考えたんですか?

紀里谷:たとえばサイズです。今回は、ビラというか自分の名前が書かれた名刺を配ってるんですけど、そもそもビラなんてものは自分も受け取らないですよ。あんな大きなもの。手ぶらの男の人だったら、あんなもん捨てるしかないですよね。

じゃあ、自分だったら何を受け取るか?まずサイズに問題がある。小さければいけるんじゃないか。名刺サイズにしよう。名刺サイズなら、自分の名前を書いちゃおう。僕の顔を知らなくても、名前が書いてあれば『あ、紀里谷ってあの…』ってなってくれるかもしれないし、『写真撮りましょう』ともなるかもしれない。

その写真をSNSで拡散してくれたり友だちや家族に見せてくれたりすれば、1枚の名刺が何十倍にもなって、1万人に配れば10万人に届くかもしれないわけです。それはとても大きいですよね。

やれることは全部やらないといけないし、最も有効な方法を考えないと。実際にそれを考えて実践していくと、ビラをもらってくれる人の割合は全然変わってきますよ。

――なぜ、そこまでできるのでしょうか?

紀里谷:それを言うってことは、自分だったらやらないってことですよね。そこが違うんだよって言いたい。僕はよく、自分を取り巻いてきた環境について『恵まれてますね』って言われます。確かに、恵まれてるところはあると思う。でも、実際の仕事における立ち位置でどこに違いが生まれるかといえば、そういうみんながやらないことをやるところですよ。

きっと、上に立つ人はみんな、他の人がやらないことをやってるはずです。御社、サイバーエージェントの藤田(晋)さんだってそうでしょ。

 最後に紀里谷氏は、ビラ配りも含めたあらゆる活動の究極の目的について語った。

紀里谷:自分の目的は何なのかといえば、単純な話で、“自分のつくりたい作品をつくりたい”ということ。そういう、きわめてシンプルなところからすべてがきてます。映画監督になりたいとか映画監督と呼ばれたいとかじゃない。いま現在の自分のつくりたいものの表現方法がたまたま映画なだけです。

とにかく、自分のつくりたいものを世界中の人たちと一緒になってつくりたい。そしてそれをひとりでも多くの世界中の人に見てもらいたい。それだけ。その一点です。

その理想のためにすべてがあるといっても過言ではないし、その目的を果たすために何をするのかということを僕は容赦なく考えます。その考えた先にビラ配りがあれば、もちろん一生懸命やりますよ。

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二郎板
 

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