« ニュースはなぜ政策の検証をしなくなったのか? | トップページ | 限界集落の真実 「過疎の村は消えない!」② »

2016年10月14日 (金)

限界集落の真実 「過疎の村は消えない!」①

以下より引用

リンク

限界集落とは何か。Wikipedia「限界集落」によると《過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になって冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になっている集落を指す》《中山間地域や離島を中心に、過疎化・高齢化の進行で急速に増えてきている。このような状態となった集落では集落の自治、生活道路の管理、冠婚葬祭など共同体としての機能が急速に衰えてしまい、やがて消滅に向かうとされている。共同体として生きてゆくための「限界」として表現されている》。つまり限界集落は早晩「消滅集落」入りするというのだ。

中略

しかし実態は違った。版元のHPによると《消滅しそうな集落などいったいどこにあるのか?「限界集落はどこも消滅寸前」は嘘である。危機を煽り立てるだけの報道や、カネによる解決に終始する政府の過疎対策の誤りを正し、真の地域再生とは何かを考える》。

《高齢化が進み、いずれ消滅に至るとされる「限界集落」。だが危機を煽る報道がなされているのに、実際に消滅したむらはほとんどない。そこには逆に「限界集落」という名付けをしたことによる自己予言成就―ありもしない危機が実際に起きる―という罠すら潜んでいる。カネの次元、ハードをいかに整備するかに問題を矮小化してきた、これまでの過疎対策の責任は重い。ソフトの問題、とりわけ世代間継承や家族の問題を見据え、真に持続可能な豊かな日本の地域社会を構想する》。

うーむ、これは話が違うではないか。私は毎年のように訪れている川上村(奈良県吉野郡)が2010年10月1日の県調査で、65歳以上人口が50.4%に達したと知り、心配して「限界集落・川上村を元気に!」というブログ記事を書いたこともある。今も、52.5%が65歳以上である(2012.11.30現在)。しかしいつ訪れても村は十分に元気なので、不思議に思っていた。

では、本文から要所を抜粋してみる。

■「問題がないのが問題だ」
まず、ある地域での一コマから始めることにしよう。筆者がフィールドワークとしている青森県某町での取材風景である。某町A集落は、津軽半島北端の海岸部にある。津軽半島一帯は、もともとはアイヌの活動地帯であり、江戸時代の記録にはそうした人々の姿を確認できる。しかしむろんいまはアイヌ系の集落は見当たらず、沿岸に点在するのは、多くが漁の網元や雇いの漁師が定着してできた和人の集落である。A集落に暮らす人々の家系も、もともとは漁業、海運に携わって財をなした人々であり、ここは豊かな海村だった。

しかし現在、人口約80人。うち65歳以上人口比率が70%を超える。限界集落とは高齢化率が50%以上の集落のことだから、ここも定義上、立派な限界集落である。そこで、町会長さんに話を聞いてみると、意外なことを言う。「ずいぶんと、ここには記者さんたちが来ました。困ったことはないかと聞かれる。一番困るのは困ったことがないことです」。

いまここで生活するのにとくに困ることはない。確かに若い人たちはこの地域から出て行った。しかし残った高齢者も多くは元気で暮らしており、山の畑に行ったり、漁に出かけたり、村の会合に出たり、祭礼を行ったりを毎日忙しく過ごしている。

多くの過疎集落でいま、人口減少が進むでけでなく、高齢化率(65歳以上人口比率)が高くなってきている。しかし高齢化率が高いから、集落の解体がすぐに起きるわけではない。年寄りばかりになっても、助けがなければ生活が崩壊するという状況にはない。これでは、「限界などと言うな!」という方が確かに正しい。

では集落の限界は本当にないのだろうか。今後ともこうした集落は、同じように続いていくのだろうか。過疎高齢化の現実は、放っておいてよい状況にあるのだろうか。

■集落消滅は本当に生じているのか
大野晃氏の限界集落論では、65歳以上の高齢者が集落の半数を超え、独居老人世帯が増加すると社会的共同生活の維持が困難な「限界集落」となり、この状態がやがて限界を越えると、人口・戸数ゼロの集落消滅に至るとされている。すなわち、「高齢化の進行→集落の限界→消滅へ」というプロセスが予言されているわけである。

この限界集落の概念は1990年前後に提起されたが、大野氏自身が言うように、それは注意喚起のためのものだった。このまま放っておけば危機が来るかもしれませんよという、将来のリスクを示すものだったのである。しかしその警告から20年経って、集落が現在もいまだに維持されていることを考えると、この「高齢化→限界」図式による集落消滅の予言は当然のことながら再検討されなければならない。

そこで問題となるのが、2007(平成19)年8月に国が発表した、過去7年の間に、過疎地域だけで191の集落が消えたという数字である(『国土形成計画策定のための集落の状況に関する現況把握調査』、以下、2007年国調査とも示す)。この数字は、メディアでセンセーショナルに取り上げられ、何度も繰り返し報じられた。

だがその内容を見てみると、ダム・道路による移転や集団移転事業、自然災害等が含まれており、高齢化のために共同生活に支障が生じ、消滅に至った集落が191あったというわけではない。それどころか、本章でみていくように、調べた限りでは高齢化の進行による集落消滅は、全国の中でまだ一つも確認できない。

②へ続く

渡澤翼 

« ニュースはなぜ政策の検証をしなくなったのか? | トップページ | 限界集落の真実 「過疎の村は消えない!」② »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1761240/67587974

この記事へのトラックバック一覧です: 限界集落の真実 「過疎の村は消えない!」①:

« ニュースはなぜ政策の検証をしなくなったのか? | トップページ | 限界集落の真実 「過疎の村は消えない!」② »

ランキング

  • にほんブログ村 政治ブログ 世直し・社会変革へ お勧めサイトランキングへ
2017年12月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カウンター

最近のトラックバック

無料ブログはココログ