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2016年9月10日 (土)

追求のススメ3.自考力の時代⇒「少年よ、大志を抱け」(2)

では、なぜ、勉強や仕事が強制課題になってしまったのか?
国家が登場し、私有権が成立すると、社会の物財はすべて私有の対象となり、私権(地位や財産の占有権)を獲得しなければ生きてゆけなくなった。そこでは、誰もが私権の獲得に収束する。その結果、この社会は私権追求の圧力で満たされるが、この私権圧力は否も応もない(それを獲得しなければ生きてゆけない)絶対的な強制圧力である。
しかし、本能や共認機能を源泉とする本源主体にとって、私権社会は全面的に不整合な世界であり、本源主体を私権圧力に整合させることは、原理的に不可能である。従って、私権圧力に対応するためには、どこかで出来合いの私権観念を導入し、折り合いをつけて(=私権圧力に部分的に整合させて)生きてゆくしかない。そこで、折り合いをつけるべく、良く聞くのが「がんばる」という言葉である。
しかし、それは諦めと妥協の私権観念であり、それでは全身全霊をかけて何かを自考し続けることなど、出来ない。しょせん仕方なく勉強(仕事)しているだけなので、本来の力の半分以下の力しか出せない。あるいは、部分的に整合させているだけなので、すぐに崩れて「がんばる」と言いながら頑張れない。

ところが、実は、1970年に豊かさが実現されて以降、私権圧力はどんどん低下してきている。今や、自然志向や健康志向や節約志向が(つまりは脱市場・脱私権の潮流が)最先端の潮流となり、私権圧力はとことん衰弱してしまっている。つまり、すでに「がんばる」と言っても何の為に頑張っているのか訳が分からなくなっているのが現状である。
ならば、そんなものは捨てれば良い。ここまで私権圧力が衰弱してしまったのなら、もはや諦めと妥協の私権観念など無用の長物である。私権観念を捨てれば、人類本来の本源主体が姿を現す。その本源主体に立脚して、秩序崩壊の危機に瀕しているこの社会を対象化すれば、誰の心にも『社会を守る』⇒その為には『世界を掴む』という志が芽生えてくる。
そして、ひとたび『世界(の構造)を掴んでやる』という大志が芽生えれば、教科書は認識の宝庫に変わる。教科書だけではない。全ての情報が学びと自考の対象となる。
例えば、勉強するにも、「本能と共認機能の表出である言語というものの真髄を掴んでやろう」「世界を数量的に整合させる数学というものの本質を掴んでやろう」「歴史の背景にある必然性を掴んでやろう」「自然現象の背後にある法則を掴んでやろう」等の目的意識(志)をもって各教科に挑戦すれば、未知収束⇒自考回路が作動して、自考力が急速に上昇してゆく。

類塾の自考型教育が目指すものは、それである。それは、明治以来の「教える→分かったつもり→自考停止」の悪循環を断ち切り、新しい自考力の時代に対応する最先端の試みである。
その目的は自考力の形成にあるが、未知なる世界への収束と自考の意志は、(先に見た『大志』がそうであるように)人々の期待に同化する中で形成される。その点、自考という言葉は、共認とは逆の自閉的なイメージを与えるが、事実は逆で、自考の原動力となるのは人々への同化と応合、つまり共認充足そのものである。
また、自考型授業というと、「それなら自分でやる」という生徒がいるが、実は一人では自考は続かない。なぜなら、上述したように、サル・人類の未知収束⇒自考回路は、共認充足や自考充足と一体になって作動するものだからである。だから、みんなとの課題共認や自考共認、あるいは『社会を守る』⇒『世界を掴む』という目的共認、更にはみんなからの「気付き」の発信などの刺激が、自考し続ける上で不可欠の条件となる。
それに、みんなと一緒に自考するのは楽しい。そこには、人類本来の未知収束⇒自考充足の世界がある。更に、その中で『社会を守る』⇒『世界を掴む』という志が芽生えれば、全身全霊を傾けて自考し続けてゆく地平が拓(ひら)かれる。つまり、100%の力を出し切ることができるようになる。
新しい世界に向かって、共に自考力を磨いていこう。

岡田淳三郎

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