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2016年8月25日 (木)

追求のススメ1.未知なる世界への収束と自考(2)

この様に、不全感を揚棄する為に、相手の課題=期待を自己のそれと重ね合わせ同一視することによって充足を得る回路こそ、(快感物質β-エンドルフィンを情報伝達物質とする)本能を超えた共認機能の原型である。そこでは、相手の期待に応え充足を与えることは相手に期待し充足を得ることと一体である。従って、相手の期待に応えること自体が、自己の充足となる。
共認機能の真髄は、そこにある。共認の生命は、相手(=自分)の期待に応合することによって充足を得ることである。
こうして、未知なる世界に直面したサルたちは、その唯一の開かれた可能性=共認機能が生み出す共認充足へと収束することによって、はじめて不整合な世界を整合させることができた。
(赤ん坊が、母親の胎内で本能的に整合していた状態から、産まれた瞬間に全く未知なる不整合な世界に放り出され、どうすればいいのか全く分からない中、まず最初に充足(母親の笑顔など)に可能性収束するのも、原猿が共認充足へ収束した構造と同じである。)

もちろん、充足共認(スキンシップなどの親和共認)によって不全感を和らげただけでは、縄張りを確保することはできない。そこでサルたちは、唯一の開かれた可能性である共認機能にとことん可能性収束することによって、縄張りの確保という課題を共認し、互いの評価と役割を共認し、守るべき規範を共認するレベルにまで共認機能を発展させ、遂に縄張り闘争を闘う闘争集団を形成した。それが、真猿である。
言い換えると、真猿集団は、縄張り確保という課題共認⇒評価共認⇒役割共認⇒規範共認という一連の闘争共認を形成することによって、はじめて同類闘争という未知なる世界を突破する(=不整合な世界を整合させる)ことができた。

ここまでの流れを整理しておこう。同類闘争という未知なる世界に直面して、まず原猿が充足共認の機能を形成し、それを母胎にして真猿が闘争共認の機能を形成した。ここで最も重要なのは、原猿も真猿も、不整合な=未知なる世界に直面して、互いに「どうする?」と未明世界を自考し続けたからこそ、本能を超えた共認機能を形成し、知能を著しく進化させることができたという点である。サル・人類が霊長類と総称される由縁も、そこにある。

サルたちが形成した、この未知なる世界への収束と自考の回路は、人類において更に第一義的に重要なものとなる。

岡田淳三郎
 

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