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2016年1月 4日 (月)

生産様式の転換と観念の変遷

          古代宗教 近代思想 構造認識
            ∧    ∧    ∧
            ∥    ∥    ∥        
           身分制度 資本主義 認識闘争
            ∧    ∧    ∧ 
            ∥    ∥    ∥        
 観念機能の獲得 → 農業生産 工業生産 意識生産
    ∧       ↑    ↑    ↑
    ∥       |    |    |
<極限的な自然外圧><--物的欠乏--><類的欠乏>
----------+---------+------
○認識のベクトル
<--「対象」--><--「自己」--><「対象」>

①極限的な外圧⇒自然を注視→観念機能の獲得→採集生産・農業生産へ
足の指が先祖がえりして本能上の武器を失った初期人類は、洞窟に隠れ住み、他の動物の目を盗んで死肉や骨、植物の根を食べる(密猟生産)しかないような存在だった。この極限的な状況において、徹底的に自然を対象化し注視する中で、共認機能を自然に対して向け、観念機能を生み出した。(実現論1_6_03
観念機能の発達に伴う弓矢の発明などにより防衛力が上昇し、洞窟から抜け出て採集生産に移行することが可能となった。そして自然を注視しそのサイクルから暦を発明することで、人口拡大に伴う農業生産への移行が可能となった。

②農業生産⇒武力支配の身分制度⇒古代宗教に収束
農業生産においては、生産力の基盤は耕すことのできる特定の土地である。土地の奪い合いに決着を付ける力、すなわち武力が制覇力となり、武力支配の下での生涯固定の身分制度が成立する。特に奴隷身分においては、身分制度や絶対権力によって、一切の可能性を封印されていたため、本来の人間の可能性やあり様を、自己の頭の中にしか存在しない「あの世」「神の世界」を措定し、それを持って意識を統合しようとする。こうして古代宗教が誕生し、広まっていった。

③工業生産⇒資本主義⇒近代思想(近代個人主義)
農業から工業へと生産様式が転換すると、生産力の基盤である機械を備えるための資本が社会の制覇力となる。いわゆる資本主義社会の登場は、人々を身分制度から解き放ち、市場での経済的利益追求の「自由」が登場した。私権拡大の可能性が開かれ始めると、経済的利益を追求する個人を正当化するために、古代宗教における「神」を「人間」に取って代えた近代思想が登場した。この近代思想の導きによって、ばらばらに分解された個人が一個の労働者あるいは消費者として市場拡大の主役となっていく。

④意識生産⇒類的価値の創出⇒人間・社会を対象化する構造認識
自然を対象とする価値を「物的価値」と呼び、人間・社会を対象とする価値を「類的価値」と呼ぶならば、これまで人類は、物的価値の生産に大半のエネルギーを費やしてきたことになる。ところが、工業生産の目覚しい発展によって、「物」の生産と消費が飽和限界に達した。「物」が過飽和状態になれば、残るは類的価値の生産と消費しかない。実際、どんな物的生産であっても、類的価値を付け加えないと売れない時代となった。つまり、人間または社会を対象として類的価値を生産する意識生産の時代となった。
意識生産の時代では、生産力の基盤が生身の人間の認識力・創造力そのものとなる。誰もが、人間あるいは人間相互の関係(=社会)を対象とする認識闘争に巻き込まれ、認識闘争の圧力(同類圧力)が主要な外圧となる。ここでは、外圧を把握するためにも、類的価値を創造するためにも、現実の社会の原基構造及びそれを支える人間の意識の原基構造を解明する構造認識が必要となる。 

内藤琢

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